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辻褄が合わないと思う部分は想像で補いながらお読みください。

 投稿者:不知火  投稿日:2011年 8月 8日(月)14時52分7秒
返信・引用 編集済
  「どうしてここに」
何で二人は親しげに話しているんだろう。知り合いってことだよね?それに、これまでのことも含めて考えると、この“影”の事件に関わっていることは明らかだ。ということは、何らかの情報を隠している。部長が持っていた薬の出どころ。あの影の正体。そして、私が狙われる理由。今までみたいに受け身じゃダメだ。なんとしても聞き出さなければ…。でも…。そこで私の思考は中断された。好青年が部長に襲いかかったのだ。さすがに狭い部屋の中では、刀は使わず体で勝負するようだ。腹を狙ったとび蹴りは、あっさりと部長にかわされてしまい、回し蹴りをくらい壁に激突した。追い討ちをかけるように部長の右ストレートを放つが、勢いを利用され豪快な一本背負いでいすの山に突っ込んだ。
「きょうこちゃん、ここは彼に任せて、私たちは逃げましょう」
そう言って、私の腕を掴んでくる。人質にされる可能性もあるし危険な賭けだけど、これはチャンスかも。
「いやです。あなたたちが隠していることを、洗いざらい話してくれると言うまで逃げません」
私は彼女の腕を払った。ここまでして私を守るのだから、私に死なれては困るはずだ。それを逆手に取れば、情報を得るための取引ができるはず。
「最初からそのつもりよ。それに、あなたが一緒にいてくれないと、あなたに手を出した部長さんの裏についてる人を、安心して倒しにいけないのよ」
まだ私の質問に答えてもらってないんだけど…。そもそも、黒幕がわかっているのなら、早くこの事件を解決して欲しい。あれっ、なんで私が一緒にいないと、安心できないんだろう?だめだ、話せば話すほど疑問が増えていく。とりあえず、今は逃げることだけ考えるか…。
「聞きたいことが山ほどありますけど、とりあえず、逃げますか」
緊張感が足りないかなぁと思いつつ、私たちは互いの手を取り合い、帰宅部部室を後にした。


 私たちが逃げ込んだのは、人気のない研究所のような建物の一室だった。床一面にタイルがびっしりと敷き詰められ、壁際には本棚が置かれていた。彼女が言うには、ここが一番安全で都合がいいらしい。ここに来るまでの時間を使って、彼女にする質問を考えていたのだが、軽く十個はある。どんな答えが返ってきても驚かないように、大きく深呼吸をしてから口を開いた。
「聞かせてくれるかしら?なぜ私が狙われているの?あの影の正体は何?私に影響されてるという言葉の意味は?名は体を表す、音が無いのに響く子ってどういうこと?言葉を出さないでも人に影響し、影響を受けるって何?あなたとあの好青年との関係は?彼の正体は何?なんで初めて襲われた日、彼にはあの変なのが来る時間がわかったの?今日といいこの前といい、どうして私がいるところに的確に現れることができるの?彼に殺された私の親友は、本当に救われたっていえるの?救われたってなに?私が嘗めた飴はなんだったの?飴に何か効果があったということは、あなたがくれたあのコートにも、何か秘密があるの?この事件の黒幕はいったい誰なの?全部、全部洗いざらい吐きなさい」
言ってて初めて気がついたけど、隠し事多すぎでしょ。一息じゃ言い切れなかったし…。でも、私は非現実的な体験をしているんだ。親友を失うという代償を支払って…。早く、元の日常に戻りたい。彼女を弔ってあげたい。いくら裏切られたとはいえ、私たちは親友だったのだ。それに、彼女自身もきっと被害者なのだから。この負の連鎖を断ち切らなければ。情報が足りないのだ。全ての疑問を解消してくれるはずの人は、ここまで質問が多いとは思わなかったのか、頭を抱えて考え込んでいる。何か思い出したかのように、埃を被った本棚を調べ始めた。そして、一冊の本を手に取った。
「とりあえず、これを読みなさい」
渡されたのは『月下の殺人』という分厚い本だった。
「こんなの読めない」
本よりも漫画が好きな私には、とてもじゃないが読める自信がない。
「あっそ、知りたくないのなら別にいいけど。私は困らないもの。黒幕を倒すときだって、最悪、睡眠導入剤で寝かして傍に置いとけばいいし。私もオニじゃないから、それを読んだ上で質問があるなら受けつけるけど?それに、これからやらなきゃいけないこともあるし…。」
やらなきゃいけないこと、ねぇ…。こんな状況でできることなんて限られてるはずだし、何もないここでできることなんかあるはずが…。
「あなたが思っている通り、ここでは何もできないので、そろそろ研究室に降りましょうか」
私の考えを読むなんて、超能力者かっ。今ならそう言われたら信じてしまうかもしれないな。降りるってことは、この地下に研究室があるってことだ。入り口が見当たらないな。隠しスイッチでもあるのか。彼女はまだ本棚の前で何かを探していた。「これだ」と呟き、その本を奥へと押し込んだ。すると、突然床のタイルが盛り上がった。それをどかすと、そこは空洞になっていて、どうやらはしごで降りていかなければならないようだ。彼女の後について降りていくと、何台ものパソコンが置かれている部屋にたどり着いた。
「隣の部屋が生活スペースになってるから、そこにいなさい。冷蔵庫があるはずだから、のどが渇いたら中の物を飲んでもいいわ」
部屋に一つだけあったドアを開けると、十畳ほどの洋室に机、椅子、ベッド、冷蔵庫など、調和のない空間だった。ベッドに横たわり、さっき受け取った本を開く。推理小説だって言ってたっけ…。全部読む気にもなれないが、全てを知りたいという欲に従い、主要部があるであろう中盤から読むことはせず、最初から読むことにした。
 一時間後、本を読むのに疲れた私は、頭の中を整理するために小休止を取った。頭の処理能力を超えてしまったからだ。たしかに、彼女からこんな話をされても、きっと信じられないだろう。今読んだところまでの内容はこんな感じだった。


同じ場所にあっても時間の進み方が違う二つの世界があった。どちらの世界かは毎回ランダムで百年に一度、たった一時間だけ、二つの世界は互いに行き来ができるようになる。しかし、人数制限があり、十人あるいは十体だけだ。表の世界、仮に人間が生活している世界としよう、こちら側では、その事実はまったくと言っていいほど知られていない。しかし、裏の世界、黒い影のようなモノが支配する世界では、全員が、黒いモノ全てがその事実を知っている。自力で仲間を増やすことができないそれらは、人を連れ帰るのだ。そして、人という媒体を使うことで、仲間を増やす。人の体に卵を産み付けるのだ。そこから生まれた小さなモノは、人の体を取り込んで成長する。それを繰り返してきたのだ。
 十七年前にも、これまでと変わらず、両世界の門が開き黒いモノが表の世界に姿を現した。表裏の世界、その世の理。そして、黒いモノ存在。それらを知っっていた超常現象研究部は、研究対象として十体全てをどうにか捕獲したのだが、タイムリミットのせいでまともに研究することはできなかった。それなのになぜ、“影”になる薬が開発されたのか。それは、そいつらの悪あがきの結果だった。元の世界へ帰る瞬間、研究者と見学に来ていた彼らの子ども達の体に、それぞれが卵を産みつけたのだ。
 その一年後、ついに卵が孵化した。生き延びたのは、影に打ち勝った少女と、影と一体となった少年だけ。彼らの親が持っていた名簿を使い、ほかの研究者達を見つけた頃には、皆“影”に食われるか、共に死に絶え、黒い水溜りのようなものを作っていた。前者はやつらが無事に孵化してしまったこと、後者はそれを研究材料とできることを表していた。しかし、研究を始める前に逃げた幼生を捕まえる必要が出てきた。それは困難な作業になるはずだった。でも、半日とかからずに終了した。それは、少年が影を探知する能力を持っているとわかったからだ。理屈はわからないが、おそらく影を取り込んだ影響だろう。少年が捕まえた影などを使って、彼らは研究を開始した。
十五年目のある日、マウスで行った実験により、“影”になる薬が発見された。そのことにより、超常現象研究部OB会は、より多くのデータをとるために人体実験がひつようだとする人体実験賛成派と、単純に危険だという理由から反対派ができ、それらが対立して…。

この本って推理小説じゃないの?事件らしい事件なんて起きないじゃない。どこに推理の要素があるのかわからない。これだけの内容でも、多かれ少なかれ疑問は解消された。私を襲った“影”は異世界に住む生物で、幾度も私を救ってくれた好青年は、影に卵を産みつけられたうちの一人で、この小説に出てくる影に打ち勝った少年であり、おそらく同じ能力を持っているのだろう。私をここに連れてきた彼女もまた同じ境遇であり、小説内の影に打ち勝った少女なのだろう。部長が持っていた影になる薬は、超常現象研究部が作り出したもので、私が嘗めた飴もそのはずだ。影にならないというのが、あの飴の効能だろう。こんなことを信じろなんて言われても普通なら無理だ。でも、あまりにも状況が酷似し過ぎている。読み進めれば、そのうち私が狙われ続ける理由がわかるだろう。少し頭を冷やしたところで、読書を再開するとしよう。

それからどれほどの時間が経過していたかはわからないが、私はとあるページで指をとめた。私にあたるであろう主人公の出生について書かれていたからである。

両世界の門が開いたのと同時刻、百分の一秒、千分の一秒、もっと細かいところまで同じ時刻に、一人の少女が生まれた。その子供の名は
……音無響子
同じときに生まれたが故に、モノ達に影響し、影響を受ける存在となってしまった彼女は“生贄”に選ばれた。しかし、彼女は連れて行かれなかった。それは、超常現象研究部が黒いモノたちをすべて捕まえたからだ。

そんなことが理由なのか?“生贄”に選ばれたからだ、なんて納得できない。私を捕まえられなかったのなら、他の人を選べばいい。こちらの世界に子を残したところで、向こうの世界には戻れないのではないか、どうしてその子達も私を狙うのかがわからない。まさか遺伝したのか?まぁなんでもいいか…。また狙われたのは事実でしかないのだから。
あと少しだし頑張って読むか…と思って、次のページを開くとなぜか白紙だった。次も、その次も同じで、最後のページまで全て白紙だった。そのことを知らせようと部屋を出た私が見たのは、粉々に破壊されたパソコンと、あちらこちらについた血の痕だった。

いったい何が起きたの…?
 
 

長いうえにグダグダ、話の方向も変えてしまいましたorz

 投稿者:海宝  投稿日:2011年 6月20日(月)22時47分11秒
返信・引用
  「タイムアップだよ、キョウちゃん」
背後から聞こえた声、それは紛れもなく、先程まで共に笑っていた親友のもの。だけど、信じられない。信じたく、ない。

タイムアップ?
それはどういう意味だ?

脳内で何度も反芻される疑問。直接彼女に問い掛けようと試みるも、体は金縛りにあったように動かない。
「バイバイ」
スラリ、と金属が擦れる音がすると同時に、そこで初めて、響子の体は解放される。振り返って見上げた空の月は、血の様な深紅に染められていた。眼前に散った鮮血、だが、痛みはなかった。カラン、と。少女の姿を失い、黒いモノと成り果てた親友の手から、月明かりを反射する金属が落ちる。
「くっ…!」
地に落ちたのは、刀。それを握っていた親友の体は、肩であろう部分が真っ赤に染まっていた。そして、彼女の後ろには、血塗れた刀を持った男。全身を、黒い衣服に包んでいる。ふと、昨夜の記憶が蘇ってきた。間違いない。あの黒いモノと対峙していた彼だ。
「バイバイするのは、君だよ」
「あ…あんたは…!」
痛みに呻きながら、屹と男を睨みつける親友。だが、背中から斬られたらしい彼女は、身動きすることさえ敵わない。男は血まみれの彼女には目もくれず、響子を見据え、口角をゆるりと上げた。
「どうする?」
「え…?」
「この子、殺していい?僕からしたら、その方が都合がいいのだけどね」

殺す?誰を?

この、親友を…?

「さあ、どうするんだい」
男の質問を余所に、ただ、脳裏に浮かんでは消える彼女。運動は得意だが勉強は苦手。買い物が大好きで、よく共にショッピングモールを訪れた。面倒臭がりで、用事がある時以外は話をすることを厭う。何処にでもいるような、普通の女子高生だった。そして、そんな彼女と過ごした時間は、それなりに充実していた。少なくとも、今まで生きてきた中で一番。
「キョウちゃん…」
回想の最中、慣れ親しんだ呼び名で呼ばれ、顔を上げれば、何かを懇願するような彼女の瞳と視線が交わる。いや、実際に瞳は見えない。今の彼女は黒い影なのだから。これは推測だ。過去の思い出に基づいた上での。彼女が求めているものは、救済。駄目だと、殺さないでという至極短い、しかし大きな一言。

どうする?助ける?
だけど
私は彼女に裏切られた

「好きに…して」
「うん?」
「あんたの…好きにすればいい」
「…了解」
男の笑みが一層深まり、これもまた憶測だが、親友は目を見開いて、響子を見つめる。言葉を発することも忘れて。助けを請うことも忘れて。
「それじゃあ…ほんとにバイバイ」
別れの挨拶を皮切りに、響子は固く目を瞑る。刹那、肉が裂ける音が聞こえた。

ああ…
私は親友を見捨てたのだな

冷めた心で、自分を客観視する。親友の断末魔を、耳で捉えながら。そして、

またな…。いや、さよなら…

親友だった彼女に、永遠の別れを告げる。後悔はなかった。



「終わったよ」
ヒュッ、と刀が風を切り、チン、と澄んだ音とともに鞘に納められた。響子は、頑なに閉じていた瞼を、ゆるりと上げる。先程まで目の前にいた彼女の姿はなく、きっと、あの黒いモノと同じように霧散したのだろう。骨も残さず。
「…すまない。助けられた」
「助けたわけじゃないさ。彼女を救っただけだ」
「救った…?だが、あんたはあの子を…」
「…君は知らなくてもいいよ」
そう言った男は、笑みこそ浮かべてはいるものの、瞳は悲しみで彩られている。まるで何かを詫びるようなその表情は、響子の口を閉ざすには十分だった。知りたい。だけど、彼に聞いてはいけない気がした。そうなると、他に話すこともない。二人の間に流れる沈黙は、男がこちらに背を向け、立ち去ろうとするまで続いた。
「あ…の」
「…猫」
「猫…?」
「ちゃんと餌、あげておいたよ。毎日元気に公園を走り回っている」

じゃあね、オトナシキョウコさん

あの日と同じように響子の名前を呼んだ後、男は宵闇に紛れて消えた。暫し呆けていた響子だが、次第に胸の内がポカポカと温かくなってくる。あの猫は、生きていた。部長の口から聞き逃したあの子の安否。死んでしまった他の猫には悪いが、その事実が純粋に嬉しかった。



どれくらいの間、喜びを噛み締めていたことか。俄かに肌寒さを覚えた響子は、反射的にコートのポケットに手を突っ込んだ。昨夜、あの自称OLの女性に貰ったものだ。だが、かさり、と指先に何かが触れ、それを確かめるべく、すぐにポケットから手を抜く。己の手に握られていたのは、1つの飴。これもまた、昨夜、女性に貰ったものだ。嘗めずにポケットにいれたまま忘れていた。そういえば、少し喉が渇いた気がする。あんなことがあって緊張していたせいだろう。響子は包装を破り、中の小さな球体を口の中に放り込んだ。仄かな甘さが口腔内に広がる。

さて、そろそろ帰ろうか。
父さんも母さんも、心配する。

響子が家を目指して歩き出す。ころころと飴玉を、舌で転がしながら。だが、歩き出して幾らも経たぬ内に、響子の足は止まる。首の後ろに鋭い衝撃を感じて。そうして響子の意識は薄れていった。



次に覚醒した時、視界に映ったのは白い壁だった。いや、壁ではなく天井だ。響子は、冷たい床に仰向けに横たわっていた。慌てて半身を起こすと、この場所が何処か、すぐに気づいた。帰宅部の部室だ。電気は消えていて、室内を照らすのは琥珀色の月明かりのみ。

さて、何故自分は此処にいるのだろうか。

正確に言えば、何故此処に運ばれたのだろうか。確か、首筋に衝撃を受け、気を失って。そこで初めて、あれはスタンガンだったのだと思い至る。では、誰が?次から次へと沸き上がる疑問。と、そこへ、部室の扉が開いた。
「やあ、目覚めたみたいだね」
「…部長…?」
部屋に入ってきたのは帰宅部の部長。夜遅くに、部室に彼がいる理由。それがわからない。昼間なら、何も不思議に思わないのに。嫌な予感が胸を過ぎる。
「先に言っておくと、君を此処まで連れてきたのは、私なのだよ。痛い思いをさせてしまったかな」

ああ、やっぱり

何となく予想していただけに衝撃は小さい。だからこそ、次の言葉が自然と口をついて出たのだろう。
「何故私を?」
「君が予想外に奴らの標的になるのでね。…少しばかり早すぎるが、手遅れにならないうちにクライマックスに移ろうではないか」
そう言うと部長は徐に、懐から何かを取り出す。小瓶に入った黒い液体。見るからに怪しい。怪し過ぎる。
「これを飲んでもらおうと思うのだよ」
「嫌です」
もちろん即答だ。だが、部長は気を悪くした風でもなく、こつり、と響子に一歩近づく。それに合わせて響子は一歩、後ろに下がる。が、すぐに逃げ道は壁に遮られてしまった。
「さあ、飲みたまえ。飲めば、君も奴らと同じ、月下を彷徨う“影”になる」
「…先輩があのモノ達を造り出していたのですか?」
「半分正解、だ」
小瓶を指で弄び、彼は続ける。悪戯な光を、その瞳に宿しながら。
「今の世の中、刺激が足りなくてね。毎日毎日同じことの繰り返し。親の、教師の操り人形さながらに生きる日々。成績が下がればもっと勉強をしろと怒鳴られ、例え成績が上がろうとも、その程度でまんぞくするなと諭される。うんざりしていたよ。娯楽に飢えていたその時、この薬を譲ってもらった」
「その薬を飲むと、“影”になる…」
「その通り。昼間は我々と変わらぬ人の姿。だが、夜になれば“影”と成り代わる。そのようなモノを造るこの薬を作ったのは、私ではない。だが、帰宅部の生徒に飲ませていたのは私だ。最初に迷子になった三人、彼らにもこれを飲ませて“影”になってもらったのだよ。あの“影”が何なのか、正直なところ、私は詳しく知らない。だから、彼らは今研究のため、この薬の発明者に貸している」
まるで、人を物のように扱う部長のその言葉に、響子は憤りを覚える。もしかしたら、自分たちが知らないだけで、他にも犠牲者がいるのだろうか。人としての姿を無理矢理奪われた、哀れな者達が。
「キョウくん」
気づいたときには遅かった。“影”にされた人間のことを考えているその隙に部長は目の前に迫っており、強く顎を掴まれ、口の中に液体を流し込まれた。慌てて吐き出そうとするも、殆ど喉を滑っていった液体は、既に響子の体を巡っているはず。
「ごほっ…!」
「さあ、君も彼らのように“影”となるんだ!」
薄暗い部室に響きわたる部長の高笑。彼は、その時を今か今かと待ち侘びている。だが、響子には何の変化も訪れない。
「…何故だ?」
噎せる響子を前に、部長が初めて、驚愕と焦燥の入り交じった声を上げた。響子が“影”にならないことが、予想外なのだろう。響子自身、自分の体が人のそれであることが不思議だった。
「何故!何故、何も起こらない!」
「あらあら。私の飴、嘗めてくれたのね」
狂ったような部長の叫びに次いで聞こえた若い女性の声、それと同時に部室に、二人の男女が現れた。
「君はよく狙われるね」
「そういう娘なのよ」
「あ…あんた達は…」
見覚えのある二人の内、女の方が口元に人差し指を当て、片目を瞑る。
「年上にあんたはいけませんよ、お嬢ちゃん」

 

遅くなりましてすみません。しかも割と残念な出来。伏線拾って、新たに他の伏線作ってしまったけど大丈夫かしら

 投稿者:吉田  投稿日:2011年 6月 8日(水)00時57分22秒
返信・引用
  時はさかのぼり、朝の8時。
視点は変わって、帰宅部部長へ。
さて、朝練というものを帰宅部はどのようにやるのか。
方法、内容は部長ですら不明。
そうであるにも関わらず、部長は今日も部室の鍵を開ける。

「『月下の殺人』って知ってるか?」
後ろに立っていたのは、朝には活動していないはずの他部活の人間。
「なんだそれは。あの黒いモノに関係する話なら聞くが」
「せっかく力を貸してやろうと思ったのに、なんだよその冷たさ」
「ミス研なんぞの力を誰が借りるものか」

この学校にある文化部の謎。
その一として、帰宅部に部室があることがあげられる。
その二というのは、ミステリー研究会、読書研究会、超常現象研究会などという、大学ですらあまりないような、おかしな同好会があることである。
しかもそのすべてに、帰宅部と同じく部室が供給されている。順番に意味不明な部室が並んでいるというわけだ。
なお活動内容は、読書研究会においてはひたすら読書にふけるというのが想像できるくらいで、他は不明。

言葉をかけてきたのは、ミステリー研究会、略してミス研の研部長。
「お前のとこは朝に活動しないはずだ」
「あんたに用があったからわざわざ来たんだろうが」
例の黒いモノのことをどこからか聞きつけたらしい。
「黒いモノに関する話だ。聞いて損はないぞ」
「さっさと話せ」
「ミス研なんぞの力は借りないんじゃなかったのかよ。まぁいいが。『月下の殺人』は推理小説だ。読めばわかる」
渡されたその分厚い本を眺める。
新たな情報と言って良いのだろうか。
「犯人、お前なんじゃねぇかと俺は思ってる」
「私が犯人だと?何を馬鹿な。私があの黒いモノを作り出したとでもいうのか」
「ミス研っつっても、何でも科学的に証明できると俺は思わないからな。そこは知らんよ」
「なら、何を根拠に」
「だからこれ読めっつってるんだ」
そう言ってミス研部長は手に持った分厚い本を指す。
「あと、黒いモノのほうはあっちが専門だからな」と言って、超常現象研究会部室の方を指す。「そのうち乗り込んでくるんじゃないの」
フンと軽く笑って出ていくミス研部長を、私はは静かに見送った。

とりあえず本を開く。
なんの変哲もない、どこにでもあるような本。
はっきり言って、興味はあまりない。
ゆえに頭から読む気はない。
主要部があるであろう中盤から読むことにする。

月下ほど事を起こすのにうってつけのシチュエーションはない。
否、月下にしかそれは起こりえないと言ってもいい。
僕はといえば、ただ種をまいただけだ。
どのように育てるかは、主役と引き立て役次第。
彼らはフィナーレにどうやってもっていくのだろう。
それもまたひとつの余興。
「私はたぶん大丈夫ですよ。御心配ありがとうございます」
僕は基本的に傍観者でいいのだとは思うが、彼女のその言葉で、少しだけヒントを与える気になった。
ただ一言。
「月下には気を付けたまえ」
…そう言ったのに。
忠告は一回だけだ。
来てしまった君が悪い、そうだろう?
きっともうすぐあいつがやって来る。
さぁ、ショータイムの始まりだ。

一旦本を閉じる。
種をまいたのは確かに私だ。
この章の語り手が犯人だとするなら、ミス研部長が言っていたことは間違いではない。そうであるなら、私が犯人になる。
しかし、あの黒いモノは何だというのだ。
あれを、あの黒いモノを、私は知らない。
この本のシナリオ通りと仮定すると、私の計画通りにことは運ばないだろう。
言うなれば、真の犯人は別の場所にいる。
それに、もう一つ気になるのは、主人公となるはずだった彼女は大丈夫なのかということ。
猫の件もある。
放課後にでも呼び出しをかけるとしよう。

時は昼休み。
視点はいずれも部長。
呼び出すはずだった彼女が部室へ現れた。
本を閉じ、声をかける。
「やあ、キョウくん。珍しいね?君が通常時にここに来るなんて」
「こんにちは、部長」
「でもちょうど良かった。君に話があったからね」
手間が省けたというものだ。
いやしかし、ここはレディーファーストといこう。
「わざわざ来たのだし、君から話すといい」
「すみません。あれから対処法は見つかりましたか?」
「難しいね。先日も言った通り、情報が少なすぎる。もう少し待ってくれるとありがたいのだけど。どうしてそんな事を?今更怖がる性質かい?」
多少からかい気味に言うと、彼女は苦笑しながら返した。
「まあそうなんですけど。昨日うっかり襲われまして」
「って、ええ!?それは大変だったね。怪我は無かった?」
「大丈夫でした」
ひとまず安堵。
同時にさきほどの不安が解消されるかもしれないひとつの仮説を思いついた。
「それは良かった。で、襲ったのはどういうやつ?本当に情報が少ないんだ!教えてくれたまえ!見たのか、あの件の黒いモノを…!」
「いえ」と戸惑い気味の彼女。「残念ながら。気絶してしまって」
・・・・・あぁ、なるほど。やはりそういうことか。
路線は少し変更されるだろうが、止むを得ない。
「仕方のないことだ。むしろすまないね。無事に戻って来れたのでさえ、僥倖だと言うのに・・・」
不思議そうな、否どちらかと言うと驚いたような表情を見せた彼女。
「君の理由はこれでお終いかな?次、話しても?」

私の話を一通り聞いた彼女はやがて教室へ戻っていった。
私も席を立ち、教室へ向かう。
「面白くなりそうだ」という科白を残して。
 

すみません、いろいろひどいです(‥`;)

 投稿者:竜胆  投稿日:2011年 3月28日(月)19時28分11秒
返信・引用
  「おーい、お嬢ちゃん。大丈夫?」
誰かが私を呼んでいる。
「こんなとこで寝てたら風邪ひいちゃいますよ、おーい」
誰だこのうるさいの、そう思いつつ寝返りを打つ。打った先はいつものふかふかベッドとは違う、冷たい感触。ん?冷たい…?
違和感を覚えて、しぶしぶ瞼を押し上げる。
視界の殆どを占めるは、見知らぬ美人の顔。頬に当たる冷たい感触は、道路のアスファルト。私の体の上に掛かっているのは、大きめの外套。…目を開けたら自分の部屋にいた、という状況はやはり本や漫画の世界だけか。なんて当たり前なことを思いながら、段々と離れていく顔を呆然と眺める。
眺めている間に女は素早く服装を整えたらしく、側にあった大きな黒いスーツケースに腰掛ける。
「やっと目が覚めたみたいですね。でしたら早く家に帰った方がよろしくてよ。あなたみたいな人はすぐ狙われちゃいますよ?」
その身に纏ったスーツから取り出した一本の煙草に火を付け、ため息を吐きながら言われた一言。
真っ暗な夜の中、相反的に白い紫煙は上へと上がっていく。それにつられて、私はむくりと上体を起こした。
「あんた、誰」
まだはっきりとしない頭で、近くにいた女にそう問い掛ける。
「年上にあんたはいけませんよ、お嬢ちゃん。お姉さんはー…、そうねぇ。親切な、通りすがりのOL、ってところ。それよりお嬢ちゃんこそ、何をやっているのこんな所で?」
 呆然として聞いていたが、後半の女の言葉でハッとなる。そういえば、何故私はこんな場所にいるんだ?慌てて周囲を見渡した。ここは。ああ、そうだ。あの黒いモノと黒い男が戦っていた。
だが、道路をいくら凝視してみても、何も痕跡は残されてはいない。…あれは夢だったのだろうか?いや、だとすると説明できないことが多すぎる。それに、思い出したことによって潜んでいた恐怖がぶりかえし、私の手は震えている。背中には大量の冷や汗が流れている。それらがやはりあれは現実に起こった出来事だ、と裏付けている。
「あらあら、お嬢ちゃん大丈夫?怖いことでも?」
いきなり顔面蒼白となった私を見つつも、彼女は優雅に煙草を吹かしている。口調こそ心配している様であるが動じない。そんな様が、私に平常心を取り戻させた。
「大丈夫です。何もありませんでした。それにもう家に帰ります。」
と告げて、服に着いた砂を払いながら立ち上がる。あったかと聞かれれば確かにあったが、通りすがりらしいこの人に言っても分かるまい。
「ああ、お嬢ちゃん!ちょっと待って」
慌てて女は帰ろうとする私を呼び止め、スーツケースの中を漁り、終わったと思いきや。
「さ、お嬢ちゃんにこれ差し上げるわ。御守り位にはなるわよ。ああ、寒そうだし、ついでにそのコートも貰っていって。」
と言って私の手を無理矢理とって、握らせた物は変哲もない普通の飴。
何故こんな物を、と思わず顔を見返してしまい、尋ねようとしたら先手を打たれた。
「困った時はとりあえず糖分よ。考えるのはそれからでいいでしょう?」
「…はぁ。ありがとうございます」
この人は甘党か。コートまで貰うのは気が引けたが、実際寒かったのでありがたかった。困惑しながらもお礼を言って、家路を急いだ。

「気をつけてね、お嬢ちゃん。あなたみたいな人、いいえ。あなたは狙われるわ、きっとね。…これが杞憂で済むといいのだけど。」
誰へとも向けられていない呟きは、夜の静寂さに包まれて消えていった。周辺に漂う紫煙とともに。

時は過ぎて朝。雀はさえずり、学生は学校に行く。いつも通りの朝、いつもと変わらぬ道を通り抜けて行く。町や人の様子に不自然な相違点はない。だからこそ、昨夜の事が気になってしまう。その為に爽やかな朝と反対に、私の顔にはたいそうな隈が浮かんでいる。同じ学校に行く生徒達はあれを知らないから、普段と同じく過ごせるのだ。ここまで心底他人を羨ましいと思ったのは、今まで生きてきてそうない。
あの男と黒い影は一体何だと言うのか?特にあの男・・・。答えまで、もう一歩。答えにたどり着くという時、それは中断された。
「おはよう、キョウちゃん。昨日は大丈夫だった?」
「おう、おはよう。おかげさまで怪我はない。」
「うわー。凄いよ、隈!大変だね。色々と気をつけて。じゃあ今日、日直だから先行くね!」
「うむ、またな」
違和感を覚え、どうしても引っ掛かる。私の頭の中で、ソレは確かな形となって存在する。…まさか、な。
私はその疑念を振り払うかのように、いかにして午前の授業全てを睡眠に変えられるかを考察し始めた。

ぐるぐるきゅー
自らのお腹から聞こえた音で目が覚めた。時計を確認するとあと少しで昼休みになる時間だ。ここまでぴったりだと考察のしがいがあるものだ。挨拶をし、お弁当を食べ終え教室を出る。これだけの動作だが、ものの十五分も掛かってはいまい。始まったばかりの昼休みだ、まだまだ時間はある。そう考えてゆっくりと歩き出して行った。

行き着いた先は帰宅部部室。私の用事の目的の人物ならば、昼休みはここにいるだろう。期待、否。確信を持って扉を開ける。
「やあ、キョウくん。珍しいね?君が通常時にここに来るなんて。」
予想通り、いた。読書をしていたらしく、やけに分厚い本を手にしている。入ってみると部屋に居るのは部長だけの様だ。これによって、私の推測が真実味を帯びてくる。
「こんにちは、部長。」
「でもちょうど良かった。君に話があったからね」
ちなみに私が部室にあまり来ないのは単に面倒だからだ。部長、ちゃんと理由はありますよ、来ないのにも。
だが、部長が私に話、とは・・・。
 「わざわざ来たのだし、君から話すといい。」
 「すみません。あれから対処法は見つかりましたか?」
 少々手間が掛かるが回り道をしよう。流石にいきなり本題に入るのは躊躇われる。
「難しいね。先日も言った通り、情報が少なすぎる。もう少し待ってくれるとありがたいのだけど。
 どうしてそんな事を?今更怖がる性質かい?」
 「まあそうなんですけど。昨日うっかり襲われまして。」
 「って、ええ!?それは大変だったね。怪我は無かった?」
 「大丈夫でした。」
 「それは良かった。で、襲ったのはどういうやつ?本当に情報が少ないんだ!教えてくれたまへ!見たのか、あの件の黒いモノを…!」
 無事だと言った途端、いきなり必死になって問い詰めてくる。
「いえ、残念ながら。気絶してしまって。」
咄嗟に嘘をついた。嘘という程でもないが真実でもない。部長の必死さにも驚いたが、それよりもこれ以上情報を与えるのが怖かった。だからこの返答後の、
「仕方のないことだ。むしろすまないね。無事に戻って来れたのでさえ、僥倖だと言うのに・・・」
と言った部長の変化にも驚いた。
「君の理由はこれでお終いかな?次、話しても?」
正しくは終わってはいないが、私は黙って頷いた。
「今朝、この近所の公園で一匹の野良猫の死体が発見された。それだけならば不審な点は無かった。けれど、死体の状態が妙でね。あの黒いモノの正体も掴めていない今、注意を呼び掛けておこうと思ってね。」
今朝。
近所の公園。
野良猫。
写真のような数々の記憶の断片が、頭の中で点滅する。それらは私に嫌な予感しか与えてくれない。
発見されたのは。
死体。
まさか、あいつじゃないよな。あれに巻き込まれた訳、ある筈が・・・。
「へえ。ちなみにどんな猫でした?」
私の全身が答えを聞きたくない、と全力で拒絶している。しかし、意思に反して私の口は勝手に動いてしまった。
発してしまえば言葉は消えぬ。既に部長はそれに答えようとしている。
「それがだね・・・。」
キーンコーン、カーンコーーン
ちょうど、部長の言葉に被せて予鈴が鳴った。なので、私に聞こえたのは本当に最初の部分だけであった。これは幸か不幸か。ただ今の時分に限って言うならば、ナイスタイミング、チャイム。
「あれ、もうこんな時間か。そんなに長く話していたつもりは無かったのだけどなぁ。」
「そろそろ教室に戻った方が良さそうですね。」
部長の言葉を反芻する。確かにそんなに話してはいなかったはず。何かがもやもやと残る。それにまだ、肝心の事を訊いていない!
帰り支度を終え部室を出ようとしているところを、慌てて捕まえる。腕を掴んでこちらに振り向かせると、怪訝な顔をしてこちらを見ている。当然の反応だ。
「あ、最後に一つだけいいですか。
昨日の夜、どこか出掛けられましたか?」
「いや、どこにも。」
ほとんど即答。まるで答えを用意していたかのようだ。
決まりだ。
「そうですか。すいません、変なことを訊いてしまって。」
「別に気にする必要はない。夜間の外出は気をつけろと言った張本人にそんな事を聞くとは、と少しばかり驚いただけさ。」
「…お先に失礼します。」
掴んでいた手を離し、外に出る。挨拶もそこそこに、教室へ走り出した。
「また襲われぬよう、気を付けてくれたまえよ!」
後ろに居る部長からの声を聞きながら。

「本当に、気をつけてくれたまへ。
まだ始まったばかりでカーテンコールには程遠いのだから。でないと
面白くあるまい・・・?」
言葉には状況を楽しんでいるような愉悦の色が含まれていたが、それとは裏腹に表情は暗く哀しみに満ちていた。

その後の授業もつつがなく終わり、さあ帰ろうと鞄を持って、立ち上がる。そんな時。
「キョウちゃーん」
どこからか呼ぶ声がする。…今日の彼女はやけにタイミングが良いな。やつめ、図っておるのか!
「キョウちゃん、ってば!」
声の発生源を探してみればなんてことはなく、私の真後ろにいた。
「もう。呼んだけど全然気づいてくれないんだもん。」
「すまん、すまん。」
小さいから気づかなかった。
「…なんかまた失礼なこと考えているでしょう」
「ハハ。案ずるな、今日も変わらずプリチーだ。」
「帰り際に言われてもね。ってじゃなくて!あのさ、一緒に買い物行こう?」
「何を買うつもりだ?」
「いろいろ!ささ、早く行こう!」
少女Aは簡単には振りほどけない位の力でしっかりと私の腕を掴んで走り出した。
「え、まだ了承した訳じゃ・・・!」

それから数時間、本当にいろんなところに連れまわされた。ようやく落ち着いたのは、20時頃。学校を出て早三時間以上、といった程度か。喫茶店でお茶という名の晩御飯を食べ、少女A宅に到着すると時刻は20時30分を回っていた。
「キョウちゃん、明日の時間割って何だっけ?」
彼女からそう持ちかけられた会話はいつのまにか、くだらない世間話や今月発売された雑誌の話など、多様に変化していった。気づいた時にはもはや遅く、腕時計の長針が11を指す位の時間になってしまっていた。
早く帰らないとまた厄介なことになりそうだ。内心冷や汗を掻きつつ、会話を早く終わらせようと試みる。しかし意外にも、終わりを告げたのは向こうからだった。
「今日は無理やり付き合わせちゃってごめんね?久しぶりの買い物だったからはしゃいじゃった。また今度一緒に行こうね!」
「うむ。ではまた明日学校でな。」
と言って背中を向け、帰宅し始める。ああ、早く家に帰りたい。ここから家まではさほど遠くはない。だから、頑張れば余計なものを見ずに帰れるかもしれない。微かな希望もとい願望を持って歩を進める。
ダンッ
ダンッ
ダダダダンッ
どこからかこの静かな夜に似つかわしくない、不穏な音が聞こえてくる。しかも何故だろう、その音が聞こえるのは後ろからだ。
・・・っ、ははっ。もう私の口からは乾いたような音しか出ない。
もう何も考えたくなかった。

あ・・・・あぁ・ああ・・・あ・・・ぁあぁ・・

だから、驚きはしなかった。
たとえ後ろからあの声が聞こえたとしても。
私の背後から導き出せる答えが、たとえ一つしかなかったとしても。
だけど。信じたく、なかった。

「タイムアップだよ、キョウちゃん」

振り返って見上げた空の月は、血の様な深紅に染められていた。
 

次の方、すみません。お願いしますm(_ _)m

 投稿者:清音  投稿日:2011年 2月20日(日)14時02分50秒
返信・引用
  黒い影はうごめく黒いモノの上に着地したようだ。

うぎぎぃ!

黒いモノが鈍い悲鳴をあげた。その反動で私の足の呪縛は解かれた。
底知れぬ恐怖からの解放も束の間、おぞましい程の冷気を感じた。私の視線は、ざらつくアスファルトから、離すことができない。
みっともない格好のまま、感覚のみを頼りに、その場の状況を把握しようとした。

一体、何が起きたと言うのか・・・。

しかし、次の瞬間、私は状況の半分を理解することとなる。

「君、少々出しゃばり過ぎではないかな? 少なくとも、私にはそう感じられるが」

発言者は愉快そうに、けれど悲しそうに、淡々と言葉を発した。発言したのはおそらく、私が見た黒い影であろう。
黒い影と黒いモノは対峙しているのだろうか。
黒いモノの関心が私から外れたことは幸いであったが、新手による被害を考えなければならなかった。
黒い影が何なのか・・・。
想像がつきそうだが、冷気と共に訪れた新たな恐怖心から、頭が回らず、考えを巡らせられない。少なくとも、黒い影は言語を話せる生き物に違いはないということは確かだが・・・。

「あれ? いけないなぁ。ヒトの体に勝手に触れるのは、ここで言う犯罪行為だよ? そういうモノには、刑罰を」

次の瞬間、刃が風を切る音が耳をつんざいた。先手を打ったのは、どうやら黒いモノ。
しかし、悲鳴もないことから、おそらく黒いモノの攻撃は、黒い影にあっさりとかわされてしまったに違いない。

「まだ試合開始って言ってないでしょ? せこい奴だなぁ。そういう奴の痛い頭は、救済されるべきなんだよ」

その言葉は私にさえも恐ろしく響いた。次に黒い影が何をするのか、容易に想像がついたからだ。だからこそ、現状を見られていない上に、さらに目を閉じてしまった。

・・・って何をしているのだ、私は。
事の真相を掴む絶好のチャンスではないか。
顔を上げろ。
そしてこの目にしっかりと焼き付けるんだ・・・。

この勇気、吉と出るか、凶と出るか。結果は行動に伴いついてくる。行動しなければ、何も終わらない。

私は上体をゆっくり起こし、顔や手に付いた小石や砂を払った。そしておそるおそる瞳を開いていく。
薄目で見ていたせいで、ぼんやりとしていた幻影が、はっきりと見えるようになっていく。
最初に目に飛び込んできたのは、街灯の薄灯り。その灯りは二つの存在を影という形で私に示していた。
睫毛という防波堤がなくなり、瞳が次にピントを合わせたのは、眼前に広がる二つの黒。

私から少し離れた所で、やはり二つの黒は対峙していた。
瞳が暗さに慣れ始めると、次第に、私に背を向けている黒は、男であることが判明した。
その男に重なるようにして、うごめいているのは、黒いモノ。黒いモノがこちらを気にしているようで、思わず息をのんだ。
再度、恐怖にかられた。しかし、その光景から目を逸らせられない。

「ごめんね。でも君のためなんだ。君を悪夢から解放してあげるための・・・ね」

声を発したこの男こそ、私が見た黒い影であった。
その男の言葉は、私の嫌な仮定論を確実な物へと進めていく。

あ・・・・あぁ・ああ・・・あ・・・ぁあぁ・・

再びあの恐怖の謎の言語が響く。黒いモノが男に襲いかかった。その時は流石の私も目をつむった。

空を切り裂く音。

私が目を閉じていた一瞬で、状況が変わっていた。
次に目を開けた時、息苦しい程の黒い霧が立ち込めていて、赤黒い河があった。その河は中心から湧き出るように、流域を広めていった。
どうやらその河の根源となっていたモノが、黒い霧の正体であったようだ。そこから霧が発生していた。

突然、黒い霧が濃くなり、辺りが見えにくくなった。
しかし、すぐに霧は晴れ始め、前が見られるようになった時には、再び状況が変わっていた。
そこには、私に背を向けている男が、赤黒い、おそらく赤いであろう河の中心を見下ろしている姿があるだけだった―

そして今に至る。

私の勇気、今の所、完全な凶だ。
男は殺人鬼である可能性も否めない。そう考えると、やはり大凶といったところか。

しばらくして、黒い霧が完全に晴れた。それと同時に、男の姿も霧のように霞始めた。

消える間際、男はこちらをチラと見た。辺りが暗くてよくは見えなかったが、男は、にこやかに泣いていた。頬を一筋の涙が伝うと共に男は消え失せた。

地面にひざまずいたまま、しばらく男の消えた方を眺めていた。そして、男が眺めていた中心に目をやる。やはり、あの河は鮮やかな赤色をしていた。しかしもう何もいない。

私はその光景から目を逸らして、冷静に考え始めた。

なんだ、これ。
夢か?
悪夢か?
何もかも狂っている。
今さら、率直で肝心なことを思うなんて私もどうかしている・・・。

いつの間にか悪寒は感じなくなっていた。ただ、かなりの疲労感に襲われて、そのまま冷たいアスファルトの上に転がり、起き上がれず、目を閉じたら、意識が遠退いていった―

 

最初の当たりの伏線回収とか任せた、誤字修正後でやるわ【縦書き】

 投稿者:ああああ  投稿日:2011年 2月 8日(火)00時16分0秒
返信・引用
  月が赤く、地も草木も体を赤く染められたそんな夜
   赤い雨が一人の男の体に降り注いでいた
   赤い雨、そう赤く染められたのではなくもともと赤い雨
   それが人のような黒いモノの首に当たる部分から噴水のように出ていた
   そんな人のようなモノに男は悲しそうな眼差しを向けていた
   「おやすみなさい、今度はせめて良い夢を」
   そしてソレは黒い霧のように霧散していった

   さて、そんな状況に出くわした私は普通の女子高生
   白馬の王子様やら幽霊なんて信じる歳じゃないし
   人のようなモノが斬られて消えるなんて想像すらしたことが無い
   この間2秒である

さて、この後どうしようか
   逃げる、声をかける?
   この間コンマ1秒である

   さて、とりあえず腰が抜けたのをどうしようか
   この間・・・時既に遅し、考えてもどうにもならないのであった

さて、どうしてこんなことになったのだろうか・・・


この日の朝に時間帯を戻してみよう

私の名前は世間一般にありふれた女子高生Aというところだろう
友達はそれほど多いわけではないがそれなりにはいる
その中でも恐らく親友と呼べるのは2人、いや1人だけだろう
部活はもちろん帰宅部に所属している
帰宅部だからと言って侮るなかれ
帰宅部とは安全かつ迅速に帰宅することが目標である
運動部のように活発である必要性も無く
文化部のように陰気、失礼、一般的に理解されがたいことをする必要性もない
部活に入る条件は「帰るべき家があること」これ1つだけである
つまりほとんどの人が入れる部活なのである、非常に素晴らしいことだ
その条件故に全国の高校生の5割が加入すると言う名誉ある部活だ
不意に肩を叩かれた
「キョウちゃん何1人でぶつぶつ呟いてるの?」
彼女は私と同じ帰宅部に所属している親友である
しかし親友と言ってもこちらの一方的な押しつけに過ぎないかもしれないが
そう、彼女に裏切られることなど誰が予想できたであろうか・・・
「キョウちゃーん、おーい」
そう、そして裏切りの果てに私は彼女を・・
「キョウちゃんってば!」
「はっ、私は一体何を・・・」
「また独り言呟いてたよ」
「そうか、ならばいい」
彼女の名前は少女A、女子高生Bでないのは幼く見える体の為である
「今、なんか物凄い失礼なこと考えてなかった?」
「HAHAHA、何を言ってるんだそんなはずがないだろう」
「まったくどうなんだか・・・」
「それで今日は何かあるのかい?」
彼女が話しかけてくるときは基本的に用事がある時だけだ
彼女との会話やじゃれあいは基本的に私の方から積極的に行う
「お昼休みに帰宅部の会があるみたいなんだけど、どうする?」
説明しよう帰宅部の会とは由緒正しい帰宅方法についてうんたらかんたら
「ふむ、久方ぶりに出席してみるかね」
ちなみに私は帰宅部に入部してから1度もこの会に出席したことはない


そして平平凡凡とした授業も終わり昼休みを告げる鐘が鳴る
そういえばこの鐘は誰が為に鳴っているのだろうか、生徒?いや、教師の為?
「キョウちゃん行こー」
「ああ、すまない今行く」
危うく貴重な昼休みを考察に費やす所であった

舞台は移り帰宅部部室へ
何故帰宅部に部室が必要かというとそれは・・・とにかく必要だったのである
部室内は妙な雰囲気に包まれていた
「さて、親愛なる帰宅部の諸君お集まりいただき感謝する」
静寂を破るかのように帰宅部部長が口を開いた
途端に空気が重くなったのを感じた
「うん、反応から見るに既に何人かの人は知ってるようだね」
学校の人づきあい事情に疎い私は情報源が無いのでその辺はさっぱりである
「知らない人のために説明すると帰宅部部員が迷子になった」
途端に場が騒がしくなった部員達には明らかに動揺が見て取れる
実際私も少々驚いている
帰宅部部員が迷子になる、これが意味することの大きさを知らない者はいない
帰宅部とはあらゆる帰宅方法に精通した帰宅のプロフェッショナルナルであり
道を間違えることがあっても「迷う」ことは絶対にあり得ないのである
「あー、諸君驚くのは分かるが話の途中だ、静粛にしてくれたまへ」
部員たちは動揺を抱えたまま一応口を閉ざした
驚くべきことがあっても冷静に対処する辺りさすが帰宅部部員だ
「迷子が出た時刻はおよそ21時、帰宅途中ではなく買い物帰りだそうで
 今のところ3人もの迷子が出たという報告を受けている
帰宅に関してのプロフェッショナルが3人もほぼ同時刻に迷子になる
聡明な諸君らならこのことが指す意味が分かるね?」
   ありとあらゆる可能性を含めた結果これは恐らく・・・
   「そう、超科学的な人為的現象、もしくは超常現象だ」
   この場が帰宅部部室でなければ一笑に伏されてこの話は終わりだろう
   しかも部長がここまで断言すると言うことは恐らく情報の尻尾を掴んでいる
   「それで部長、情報ソースは」
   「さすがはキョウくん、そこまで見抜いていたか・・・
とりあえずお弁当食べるのを後にする気はない?」
   「ないです」
   ただでさえ貴重な昼休みだ、効率よく動かねば時間の無駄だ
   溜め息が聞こえたが聞こえなかったことにしておくとしよう

   「それでは諸君この映像を見てくれ」
   プロジェクタからスクリーンへ映像が投写される
   あ・・・・あぁ・ああ・・・あ・・・ぁあぁ・・
   不鮮明な画質から察するに恐らく携帯で撮影したものだろう
   それはともかくこれはなんだ、謎の言語を発しながら黒いモノが近づいてくる
   正直に感想を言うと独特な圧迫感と相まって不気味だ
   黒いモノが画面を埋め尽くした所で映像は途切れた
   絶句、その場に居た誰しもに当てはまった言葉であろう
   「これが先日迷子になった部員の1人が偶然撮影した映像だ」
   めったなことでは表情を濁さない部長でさえ苦笑気味である
   「対処法があれば教えたいところだけど何しろ最近の出来事なので
    情報が圧倒的に少ないから実態はほぼわかっていない
    ただし人為的な線はかなり薄いと言うことは確かだ
    もう少しだけ時間をくれ、帰宅部部長の名にかけて対処法を見つけてみせる」
    そう、何事にも対処法というものは存在する
   死すらも屈服させる対処法も恐らくあるのだろうが未だ見つかっていない
この件についても同じだろう、時が経てば対処法は見つかる
それがいつになるかは明日かもしれないし、1ヶ月後、もっと先かもしれない
だが部長がこう言ったからには2週間以内に対処法を見つけるだろう
「本日の帰宅部の会は以上を持って終了とする
 くれぐれも夜間の外出は気をつけてくれたまへ」
重苦しい雰囲気の中、会は閉じられた
それとは反対に私の弁当箱は軽くなったのであった

「物騒なことになって来たねーキョウちゃん」
「ああ、そうだな」
「当分夜のお買いものは自粛するかなー」
「それが最善策だろうな、まったく厄介なことになった」
昼休みの終わりを告げる鐘が鳴った

午後の平凡で退屈な授業も終わり帰宅の準備をしていた
「キョウちゃーん帰ろうよー」
「ああ、少し待ってくれ」
普段はどんくさいくせに帰宅の準備だけは何故か私よりも早い
これも一種の才能なのだろうか?
などと物思いに耽ってるうちに準備を終わらせた
「待たせたな、さぁ行こうか」
私と少女Aの帰宅路はほぼ同じである
というか家を1つ挟んだだけのお隣さんのようなものである
「帰宅部の心得その一!迅速かつ的確に帰宅」
「帰宅部の心得その二!ご近所の皆様に迷惑をかけずに帰宅」
   などとわけのわからないことを言いながら帰宅するのが平日の日課である

   時は移り午後20時30分へ
   毎日の日課である野良猫への餌やりの時間が来たので近所の公園へ
   不安要素もあるので今日は若干早めに来てみたが先客がいたようだった
   人のような何か、猫好きに悪い奴はいないそんな持論の下近づいてみたら
   案の定、気の良さそうな好青年と言った感じであった
   「こんばんはオトナシキョウコさん」
   訂正、危険を感じたのでとりあえず距離を取ってみた
   「名は体を表す、音が無いのに響く子」
   何故私の名前を知っているのだろうか、いつでも逃げられる体制を取った
   「君は言葉を出さないでも人に影響し、影響を受けるんだね」
   何を言っているのだろうか、頭がおかしい奴には見えないがよくわからない
   「そんな君に影響されたモノがもうすぐやってくる」
   誰だ、何のことだ、嫌な予感しか浮かばない
   「早くおうちへお帰り」
   帰れと言われても猫がお腹をすかしているだろう
   「早く行くんだ、この猫は僕が見ておくから」
   先ほどより語気を強められた言葉
   「その猫に、その・・・これ・・・」
   柄にもなく動揺していた私には餌を渡すので精一杯だった
   「わかった、食べさせておくそれじゃあ気をつけて」

その後どこをどう走ったかは覚えていない、悪寒がしてそれどころではなかった
   家までもう少し、小道を1本曲がったところで着くと言うその時
   あ・・・・あぁ・ああ・・・あ・・・ぁあぁ・・
   あの声が耳に届いた
   後ろからならどれだけよかっただろうか、声は前方から聞こえた
   腕時計を見た、20時59分
   いつもなら20分で終わる所があの男のせいで時間が延びた
   情報によればアレが動き出すのは恐らく21時から・・・
   1分でここを抜けられれば・・・
   いつもの私なら迂回していたであろうが
判断力にかけていた状態、道がそれしか見えなかった
   21時から活動すると言うことも確定事項ではない
   黒いモノの後ろを通った瞬間、ソレが足を掴んで来た
   「っ・・・」
   恐怖故の絶句、悲鳴すら出てこない
   地面に引きずり倒され助からないと確信した時
   空には赤い月と空を舞う黒い影が見えた
 

掲示板が完成しましたキラキラ

 投稿者:teacup.運営  投稿日:2011年 1月30日(日)18時09分15秒
返信・引用
  ご利用ありがとうございます。

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